お金が残る会社と残らない会社の違い

「同じくらいの売上規模なのに、うちは全然お金が残らない」
複数の会社の決算を拝見していると、売上や利益の規模が近くても、手元に残る資金の額には大きな差が出ることがあります。
この差は、才能や運の良し悪しというより、日々の経営における習慣やしくみの違いから生まれていることがほとんどです。今回は、お金が残る会社に共通して見られるポイントを整理してご紹介します。
違い① 利益率(粗利)の設計ができているか
お金が残る会社は、値決めや原価管理に対する意識がはっきりしています。
「とりあえず相場に合わせて価格を決める」のではなく、必要な利益を確保できる価格設定になっているか、原価が上がった際に価格へ転嫁できているかを定期的に見直しています。
一方、値上げに踏み切れないまま原価だけが上昇していくと、売上は変わらなくても手元に残る利益は年々目減りしていきます。
違い② 固定費が身の丈に合っているか
売上が伸びた時期に合わせて事務所を広げたり、人員を増やしたりした固定費が、売上が落ち着いた後もそのまま残ってしまっているケースは少なくありません。
お金が残る会社は、売上の変動に応じて固定費の水準を見直す習慣があり、「今の売上規模に対して、この固定費は適正か」を定期的にチェックしています。
違い③ 売掛金の回収サイトを管理しているか
売上を計上していても、回収が遅れれば手元のお金は増えません。
お金が残る会社は、取引先ごとの入金予定を把握し、回収が遅れている先には早めに連絡を取るなど、売掛金の管理を仕組み化しています。
逆に、回収状況を把握できていない会社は、気づかないうちに未回収の売掛金が積み上がり、資金繰りを圧迫していることがあります。
違い④ 役員報酬・利益の残し方に意識があるか
法人の場合、役員報酬の金額をどう設定するかによって、会社に残る利益の水準は大きく変わります。 お金が残る会社は、生活に必要な金額と、会社に利益として残しておきたい金額のバランスを意識して役員報酬を設定しています。 一方、その年の利益に応じて場当たり的に役員報酬を決めていると、会社にお金が残りにくい状態が続いてしまうことがあります。
違い⑤ 資金繰りを先読みできているか
損益計算書の利益だけを見て経営判断をしていると、数か月先の資金繰りの悪化に気づけないことがあります。
お金が残る会社は、資金繰り表などを使って、今後の入金・支払いの予定を先読みし、資金が不足しそうなタイミングを事前に把握しています。
「今月は黒字だから大丈夫」ではなく、「3か月後、半年後の資金繰りはどうか」という視点を持っていることが、余裕を持った資金管理につながっています。
違い⑥ 借入とのバランスが取れているか
借入は事業を成長させるための有効な手段ですが、返済負担が重すぎると、利益が出ていても手元のお金が増えにくくなります。 お金が残る会社は、借入の返済額と、事業から生まれるキャッシュフローのバランスを見ながら、無理のない借入計画を立てています。
まとめ
お金が残る会社とそうでない会社の違いは、特別な才能や運によるものではなく、
- 利益率を意識した値決め・原価管理
- 身の丈に合った固定費の水準
- 売掛金の回収管理
- 役員報酬の設定バランス
- 資金繰りの先読み
- 無理のない借入計画
といった、日々の経営の習慣やしくみの積み重ねから生まれています。
「自社の資金がなぜ残らないのか原因を確認したい」「資金繰りを見える化する仕組みを整えたい」という場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。試算表・資金繰り表の作成支援から、経営状況に応じたアドバイスまで対応いたします。


