金銭感覚を保つ方法

「売上が伸びてから、お金の感覚が少しおかしくなってきた気がします」
事業が軌道に乗り始めた経営者の方から、こうした言葉をお聞きすることがあります。 売上や利益の規模が大きくなるほど、日々のお金の出入りに対する感覚は鈍りやすくなります。今回は、事業を続けていく中で金銭感覚を保つための考え方を整理してご紹介します。
① 事業用とプライベートのお金を明確に分ける(生活費)
事業用の口座と、生活のための口座が分かれていないと、「今、自由に使えるお金がいくらあるのか」が分かりにくくなります。 事業用の口座・カードをプライベートと明確に分けておくことは、金銭感覚を保つための一番基本的な習慣です。役員報酬や事業主貸として、決まったルールで生活費を引き出すようにしておくと、感覚のズレを防ぎやすくなります。要は使えるお金をあらかじめセーブします。
② 定期的に数字を確認する習慣を持つ (事業)
通帳の残高だけを見て「増えている・減っている」を判断していると、未払金や納税など、将来出ていく予定のお金を見落としてしまうことがあります。 試算表や資金繰り表を月に一度でも確認する習慣を持つことで、通帳残高だけでは見えないお金の動きを把握しやすくなります。
税金や社会保険料など、後になってまとまって出ていくお金を見込まずに、今ある残高だけで「使えるお金」と判断してしまうと、後で資金が足りなくなることがあります。 納税や中間申告のスケジュールをあらかじめ把握し、必要な金額を見込んだ上で、日々使えるお金の感覚を持つようにしましょう。
③ 「儲かった感覚」を鵜呑みにしない (事業)-最重要-
繁忙期に売上が伸びると、「今月はかなり儲かった」という感覚になりがちですが、その感覚がそのまま利益や手元資金の増加とは限りません。 売上には季節による変動があり、また、利益と実際の現金の動きにはタイミングのズレがあります。感覚だけで判断せず、実際の数字と照らし合わせる習慣を持つことが大切です。
また、よくありがちな勘違いとして、売上=所得と錯覚してしまう方が一定数いらっしゃいます。文字で見ていると「そんなわけない」と思うと思いますが、特に原価率が低めの業種の方に起こりがちな錯覚です。来月の収入はこれくらいあるから、「ここまでなら使って大丈夫」と固定費や少ない変動費の存在を忘れてお金を使ってしまって、お金が残らない方がいらっしゃいます。
④ 比較対象を持っておく(事業)
自分の感覚だけに頼らず、前年同月との比較や、あらかじめ立てた予算との比較を行うことで、「今の状態が普段と比べてどうか」を客観的に把握できます。 比較対象があることで、「なんとなく調子がいい・悪い」という感覚的な判断から、根拠のある判断に近づけることができます。
⑤ 大きな支出は、時間を置いてから判断する(事業・生活費)
まとまった金額の支出を検討する際、その場の勢いで決めてしまうと、後から「本当に必要だったのか」と感じることがあります。 一晩、あるいは数日置いてから、資金繰りへの影響や本当に必要かどうかを見直す習慣を持つことで、衝動的な支出を防ぎやすくなります。
また、取引先からの誘いを断れず、交際費が多くなる方もいらっしゃいます。本当に必要な交際費なのかじっくり考えることが重要です。
交際費については以下の投稿にまとめています。
まとめ
金銭感覚を保つためには、
- 事業用とプライベートのお金を分ける
- 定期的に数字を確認する
- 感覚だけで「儲かった」と判断しない
- 比較対象を持って客観的に判断する
- 大きな支出は時間を置いて考える
といった、日々の小さな習慣の積み重ねが役立ちます。事業が大きくなるほど、感覚だけに頼らない仕組みを持っておくことが重要になります。
「自社の数字を定期的に確認できる仕組みを整えたい」「お金の感覚に自信が持てない」という場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。試算表・資金繰り表の作成支援から、日々の経営相談まで対応いたします。
お気軽にお問い合わせください。070-8487-8209受付時間 9:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
お問い合わせ
