レシートを箱にまとめて保管していたお客様の話

「確定申告の時期に箱に入れて持っていきます」

そう言って、ある個人事業主のお客様が持ってこられたのは、1年分のレシートと領収書がぎっしり詰まった段ボールでした。

日々の業務に追われる中で、レシートは受け取った順にとりあえず箱の中へ。気づけば申告の時期になり、慌てて整理を始める――このお客様に限らず一定数の事業者の方が同じような形でレシートを保管しています。

今回は、このお話をきっかけに、領収書整理の見直しポイントをご紹介します。

箱にまとめるだけの保管で起きていたこと

このお客様の場合、箱を開けて中身を確認すると、次のような状態になっていました。

  • レシートの文字が薄れて、金額は読めても店名や日付が分かりにくいものがある
  • 何のための支出だったか、本人も思い出せない領収書が複数ある
  • 事業用かプライベートかの判断に迷うものが混ざっている

1年分をまとめて税理士事務所側で仕分けようとするとお客様にたくさん質問させて頂くことになります。

お客様が質問に答えようとしても、量が多いだけでなく、記憶があいまいになっている分、想像以上に時間がかかってしまいます。

結果として、確定申告の直前にかなりお時間を頂くことになり、「ちゃんと整理しておけばよかった」という感想をお聞きすることになりました。

もちろん、資料の整理ができているお客様とできていないお客様では発生する工数が違うため、できていないお客様の方が顧問料が高くなります

自分で記帳する時も「まとめて後で」が負担を大きくする理由

レシートをその都度整理せず、箱にまとめておく方法自体が悪いわけではありません。

問題は、「後でまとめて整理しよう」という状態のまま、月次・週次の区切りを設けずに1年分を溜めてしまうことです。 受け取った直後であれば数秒で分かる「誰と、何のための支出か」も、数か月経ってから見返すと、記憶をたどるための時間が余分にかかってしまいます。

見直しのポイント①:受け取ったその場でひと工夫

このお客様には、まず「レシートを受け取ったら、その場で余白に一言メモを残す」ことをご提案しました。

打ち合わせでの飲食代であれば、相手先の名前と内容を一言書いておくだけで、後から見返したときの判断がぐっと楽になります。

見直しのポイント②:箱の中を月ごとに仕切る

同じ箱を使い続けるとしても、月ごとに仕切りを入れる、あるいは月替わりで別の封筒に入れ替えるだけで、1年分をまとめて仕分ける負担は大きく減ります。 「箱を分ける」というシンプルな工夫だけでも、申告時期の作業量は大きく変わります。

見直しのポイント③:スマホでその場をデータ化する

紙の管理自体を減らしたい場合は、受け取った領収書をスマートフォンで撮影し、日付・金額・支払先を読み取ってくれる会計ソフトの活用もおすすめです。 このお客様にも、クラウド会計の領収書読み取り機能をご案内し、翌年からは箱の中身がぐっと少なくなりました。

まとめ

レシートを箱にまとめて保管するスタイル自体は珍しいことではありません。大切なのは、

  • 受け取った直後にひと手間かけておく
  • 月ごとなど、こまめな区切りで仕分けておく
  • 必要に応じてデータ化し、紙の管理そのものを減らす

という工夫を取り入れることです。少しの工夫で、申告直前の負担は大きく変わってきます。

「うちも同じような状態になっている」「もっと楽な経理の仕組みを整えたい」という場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。記帳代行やクラウド会計の導入支援も行っております。