売上が増えてから雇うか、雇ってから売上増やすか

「人を増やすタイミングは、売上が増えてからがいいのか、先に採用すべきなのか」

事業拡大を考える経営者の方から、よくいただくご相談です。 どちらの考え方にも一理あり、どちらが正解ということはありません。今回は、それぞれの考え方のメリット・デメリットと、判断のポイントを整理してご紹介します。

「売上が増えてから雇う」考え方

メリット

  • 人件費を、実際に増えた売上でまかなえるため、資金的なリスクを抑えられる
  • 業務量に見合った人数を、確実な形で増やしていける

デメリット

  • 人手が足りない状態のまま業務をこなすことになり、対応の遅れやサービスの質の低下につながることがある
  • 採用活動から実際に戦力になるまでには一定の期間がかかるため、「今、忙しいから」というタイミングで動いても、間に合わないことがある
  • 人手不足による機会損失(本来受けられたはずの仕事を断ってしまうなど)が積み重なり、結果的に売上の伸びしろを自ら制限してしまうこともある

「先に雇ってから売上を伸ばす」考え方

メリット

  • 新しい戦力を使って、営業活動や新規事業など、これまで手が回らなかった取り組みに着できる
  • 業務に余裕が生まれることで、既存のお客様への対応の質を高めたり、新しいサービスを検討したりする時間を確保しやすくなる

デメリット

  • 売上が計画通りに伸びなかった場合、人件費という固定費だけが先行して負担になる
  • 損益分岐点が上がるため、これまでより少し売上が落ちただけでも赤字になりやすくなる
  • 採用してから戦力になるまでの教育期間中は、投資に対するリターンが得られない期間が続く

判断のポイント

どちらの考え方を選ぶかは、次のような観点から検討するとよいでしょう。

今の業務は、どこがボトルネックになっているか

⇒人手不足によって、実際に機会損失が発生しているのであれば、先行採用を検討する余地があります。

採用後、どのくらいの期間で投資を回収できそうか

⇒資金繰り表やシミュレーションをもとに、無理のない回収期間を見込めるかを確認します。

資金にどの程度の余裕があるか

⇒数か月分の人件費を、売上の増加を待たずに負担できる資金的な余裕があるかどうかも重要な判断材料です。

言い換えると、売上が増えるまで耐えられるかどうかです。

採用してすぐに戦力になるか、教育期間が必要か

⇒即戦力を採用できるのか、育成に時間がかかるのかによっても、適切なタイミングは変わってきます。

折衷案として、柔軟な雇用形態から始める方法もある

正社員としてフルタイムで雇用する前に、パートタイムや業務委託など、より柔軟な形で人手を確保する方法もあります。 繁忙期だけ短時間で試験的に人を増やしてみる、特定の業務だけを外部に委託してみるといった形で、リスクを抑えながら人員体制を見直していくことも選択肢の一つです。

まとめ

「売上が増えてから雇うか、雇ってから売上を伸ばすか」に絶対的な正解はなく、事業の状況資金力業務のボトルネックによって、適切な選択は変わってきます。

  • 人手不足による機会損失が発生していないか
  • 採用後の投資回収の見込みが立つか
  • 資金繰りに無理がないか

これらを数字で確認した上で判断することが、後悔のない採用のタイミングにつながります。

「採用のタイミングを資金繰りの面から相談したい」「採用した場合のシミュレーションをしてほしい」という場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。資金計画の試算から、採用後の見通しについてもサポートいたします。

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